NHK大河ドラマ「西郷どん」第1話感想

連続ドラマというのがどうにも苦手で、1クールでも通してみたものは片手で数えるくらいしかなく、まして1年という長丁場の大河とくると、実家で親とみていたころの「いのち」と「独眼竜政宗」くらいしか思い浮かばないんですが、今年は何といっても西郷隆盛ですからね。

頑張って1年、見続けたいと思います。

 

なんせ、鹿児島の人間にとっての西郷さん(鹿児島弁では「せごさぁ」でしょうか。)は、ちょっと他の地域でそれに相当する偉人はいるんだろうか、というくらいの人気・愛着でして(自分は鹿児島ネイティブではなくて、ほんの一時期、住んでただけですが)。

パッと思いつくところでは、熊本の加藤清正もすごい人気といいますね。

ただあれば土着の人じゃないですし、鹿児島の人が西郷さんに感じる、身近さというか心からの愛着とはちょっと違う気がします。

高知の人にとっての坂本龍馬、というのはかなり近い気もします。

 

そんなわけで、昨日、第一話が放映されたわけですが、感想としてはなかなか良かったんではないでしょうか。

子役はみんなかわいくて芸達者だし、なかでも西郷小吉(のちの隆盛)役の子(渡辺蒼君、というんですね。)は、将来に西郷隆盛的な大物になりそうな雰囲気がありました。

郷中の雰囲気というのも、ああこういう感じだったんだ、と腑に落ちる感じがありました。

下鍛冶屋町と高麗町の郷中どうしで喧嘩してましたけど、今の鹿児島市内なら「すぐそこ」という感じの近さですが、郷中どうしで張り合ってたんですねぇ。

 

後の糸夫人とのアレコレは、ちょっと今の価値観が入りすぎてる感じがしてあんまり好きな演出じゃないですけど、まあテレビドラマだし、許容範囲ではあると思います。

 

何より、斉彬に扮する渡辺謙の存在感というかカッコよさが際立った第一話でした。

これは見た人のほとんどがそう感じたのではないでしょうか。

 

斉彬という人は、かなり年を取ってから藩主になった人で(その経緯はまたドラマで触れられるんでしょうが)、歴史の表舞台に出てくるのが中年以降のため、これまでの幕末物のドラマではイメージとしては地味な印象があったんですけど(たとえば、「翔ぶが如く」では当時53歳の加山雄三でした。)、ナベケン斉彬は颯爽として、精悍で、それでいて理知的で、かっこよかったです。

こういう斉彬だからこそ、目をかけられた西郷は、信仰するように仕えたんでしょうね。

華やかなだけじゃなくてドラマについても説得力のある良いキャスティングだと思いました。

 

あと、オープニングの桜島の美しさね。

鹿児島に来た人は誰でも、思ったより桜島が大きいことに驚くと思います。

なんせ、市内から1キロかそこら先の海上に、1000m級の山が聳え立ってるわけで、その雄大さというのは言葉ではなかなか表せられないところがあります。

ドローンでの空撮だと思いますが、それがよく表現された、美しいオープニングだったと思います。

 

以上、今後の展開に期待の持てる、なかなか良い第一話でした。

 

しかし、自分の西郷さんというか幕末の知識は、ほとんど司馬遼太郎と「風雲児たち」でできてますね。

一年間、大河ドラマを追いかけつつ、もっと詳しい人たちの意見等をSNS等でフォローしていけたら良いな、と思います。

 

西郷どん 前編 (NHK大河ドラマ・ガイド)