今年の3冊(2017年)

年末なので、今年に読んだ本の中からベスト3をピックアップします。

ホントはベスト10くらいいうべきなんでしょうけど、見返してみたら10冊も選ぶべき本が無かったので3冊にします。今年はわりに不作だったというか、あんまり本を読めてなかったみたいです。

ちなみにベスト3ではありますが、順不同です。

 

2011年の棚橋弘至と中邑真輔

 

今年はプロレス、特に新日本を見るようになった年でもありますね。

今、一番、楽しみにしてるテレビ番組は、(「ももクロchan」以外なら)amazonプライムの「有田と週刊プロレスと」ですし、ワールドプロレスリングも録画して見るようになったし。

この本がきっかけというわけでもないんですが、自分の中のプロレスのミッシングリングを繋いでくれた本でもありました。

柳沢健さんの本は、「1976年のアントニオ猪木 」以来、大体、読んでますが、ついにほぼ現代まで追いついた形で、次に来るのは「2012年のオカダカズチカ」なのか「2016年の内藤哲也」なのか。

もう1週間後に迫った東京ドームのIWGPタイトルマッチが一つの試金石でしょうか。

 

八甲田山死の彷徨

秋口くらいに、家の本棚から床にずり落ちてきてたので何気なく読んだ本。

内容は、映画にもなってるので知ってる人が多いと思いますが、明治35年、日露開戦を睨んだ雪中行軍のテストとして、厳寒の八甲田山に挑んだ2つの連隊の遭難記です。

小説なので史実とは少し異なるところがあるそうですが、それにしても酷い話です。

兵隊さんたちがかわいそうだし、無能で無責任な上層部は腹立たしいし、なによりその寒さの描写の酷烈さに読みながら背筋が寒くなります。

寒さに関しては、家人が「『ドキュメント生還 山岳遭難からの救出 』を読んでたら寒くなってきて、台所のテーブルで読んでたのに、いつのまにかコタツに入ってた」と言ってたことがあるんですが、まさにそんな感じです。

その後、冬が来て本格的に寒くなってきましたが、この本のことを思い出すと「なんのまだまだ、これくらいの寒波は八甲田山に比べれば」と耐える力が湧いてきます。

 

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

これを今年のベストに挙げる人も多いでしょうし、内容を今さら説明する必要もないでしょう。

とにかく面白い。熱い。

ポスドクの就職難とか、日本の科学研究の問題も透かし見られるところはありますが、著者の熱さとユーモアで、笑って泣けて、何だかやる気の湧いてくる、良い本です。

それにしても、自分の人生を賭けられるだけの何かを見つけられた人は幸福だと思いますね。

「自分が人類にとってのラストチャンスかもしれない」なんてセリフを言える人が、世界史上に何人いることか。