読書感想「果てしなき渇き」(深町秋生)

 

果てしなき渇き (宝島社文庫)

果てしなき渇き (宝島社文庫)

 

内容(「BOOK」データベースより)

部屋に麻薬のカケラを残し失踪した加奈子。その行方を追う、元刑事で父親の藤島。一方、三年前。級友から酷いイジメにあっていた尚人は助けてくれた加奈子に恋をするようになったが…。現在と過去の物語が交錯し、少しずつ浮かび上がる加奈子の輪郭。探るほどに深くなる彼女の謎。そして用意された驚愕の結末とは。全選考委員が圧倒された第3回『このミス』大賞受賞作品。読む者の心を震わせる、暗き情念の問題作。

 

いや、この本はちょっとなあ。

面白いかつまらないかでいえば面白い。巻置くを能わず、という感じですが、ちょっと自分の好みではなかったなぁ。

一言でいえば「ノワール」ってことなんでしょうけど、うむう。

映画版(「渇き。」)では主人公藤島を役所広司さんが演じているらしいです。未見ですが、役所広司のイメージとはまったく違うのでびっくりしましたが、でもまあ、「ドッペルゲンガー」とか、けっこうそういう役も演じてますね。

 

関係ないですが、昔、NHKでやってた「宮本武蔵」が最初に役所広司を知ったドラマで、とても印象に残ってます。たしかお通は賀来千香子だったかな。

 

「果てしなき」に話を戻すと、元刑事の中年男が失踪した娘を探す、というわりによくある筋書き(たとえば「64」とかもそうですよね)で始まったのに、途中からえらくバイオレンスで非倫理的な話になっていってしまって。

主人公の焦燥感は分かるけど、ちょっと感情移入できなかった。

まあでも間違いなく面白いですよ。