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映画「オデッセイ」を観てきた(多少ネタバレあるかも)

日曜のお昼に観てきました。

多分、その館で一番か二番目に大きいスクリーンで、7割くらい入ってた印象。

バレンタインデーだったせいか、カップルが多かったかな。

 

ストーリーは各所で紹介されているとおりで、火星に一人取り残されたマット・デイモンが助けが来るまで何とか生き残ろうと頑張る映画です。

火星でダッシュ村の趣もあって、特に水を作ってイモを育てるとことか、それが順調にいくとことか、「ああ、これが火星でダッシュ村って言われてたとこか」と腑に落ちました。この辺、理系的なワクワク感があって面白かった。

 

togetter.com



映画全体の感想としては、「やっぱアメリカってすげえな」って思いました。

アメリカがすごいというか、科学的に合理的に思考することが善とされること、DIY精神というんでしょうか、自分自身の力で問題を解決することが善とされること、その過程をエンターテイメントとして消化できること、でしょうか。

日本映画ではなかなか無い類型のエンターテイメントだと思うんですよね。

思考のパターンが日本人とはちょっと違うというか。


たとえば、火星に一人で取り残されて、向こう4年は助けが来ないであろう状況で、主人公が最初にやったことが(ケガの治療を除き)、手持ちの食糧の量を可視化して、それでどれくらいの期間もつかを割り出し、救援が来るまでには不足する分をどうすべきかを考える、ですからね。

目的から手段・過程を割り出して合理的に解決していく。

ツイッターで「日本で作ったら『海猿』になる」と言われてるのを見たけど、たしかにこんな風に困難を合理的に解決していく過程を、ほぼ情緒を挟まず、しかもユーモアもあるエンターテイメントにするのは、日本は不得手だろうなぁ。

ダッシュ村には、問題解決過程のワクワク感的な面白さはあるけど、そもそもの目的(村や島の開墾とか)が、ためにする目的だし。まあバラエティーだからそれでいいんだけど。

地球にいるNASA側の話でも、トップが「責任は自分が取る」といってリスクを取る(結果は凶と出たけど)、ボトムアップで上がる良案を採用する(少なくともトップにまで上がる。)、いったん立てた計画を途中で変更する。情報は公開されるのが前提な点もそうだし。

この映画のNASAは、必ずしも観客に全面的に好意的に受け取られるように描かれているわけではなくて、たとえば最初は長官もマット・デイモンの救援に及び腰だったり、マット・デイモンが生きてたことを最初は他のクルーに隠そうとしたり、結局はクルーの造反で解決するところもあったり。

だから、NASAは必ずしも「正義の組織」としてあるわけじゃないけど、問題解決のために組織がちゃんと合理的に 動く様を映画のなかできちんと示すことができるっていうのが、まあ当たり前といえば当たり前なんだけど、日本の映画ではあんまり見ないかなぁと思いました。

 

ネタバレになりますけど、こういうストーリーの映画だから、まあ最後にマット・デイモンが地球に帰れないなんてことは無いわけですよ。

だけどひょっとして救援されないかも?てところで観客をハラハラさせるんだろうなてことも、予め予想できて、実際、そのとおりのプロセスをたどって大団円をむかえるわけですよ。

だけど全く予定調和な印象が無く、ちゃんとハラハラした上で感動できる(というかクライマックスでは実際、ちょっと泣きそうになりました。)。

 

あと、宇宙モノの映画では必ずある、でっかいスクリーンのある管制室みたいなとこで皆が打ち上げとかをハラハラと見守ってて、上手くいって喝采する、ていうシーンもちゃんとあります。

 

ストーリー全体、その演出の端々にいたるまで、良い意味でのアメリカ的価値観に溢れていて、しかもそれが鼻につかずにちゃんと感動できる、すごい映画を見たなーというのが正直な感想です。

文句なしにオススメだし、これはちゃんと映画館で観るべき映画だと思います。

 

 

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

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